怪獣ソフビ博物館

ゴジラ、ガメラ、たまにウルトラマンや仮面ライダーも含めて新旧ソフビを展示

ヘドラ(FW) ムービーモンスターシリーズ(2023)

 

 

 問題作「ゴジラ FINAL WARS」(2004年公開)で久々に復活を果たすも、かなり雑な扱いだったヘドラ。昭和のヘドラは、ある意味ゴジラと同じ人類の過ちによって生み出された怪獣として強烈なインパクトを残したが、久々の復活ではゴジラに瞬殺される雑魚キャラとなってしまい、ファンを落胆させた。作品と同様、ソフビも公開当時に商品化されないなど扱いは軽かったのだが、このタイミングでまさかの新造形で発売された。

 今回の商品化は、2021年の「ゴジラ・フェス」に合わせて製作された短編特撮で再登場を果たした影響が大きいのかもしれない。何より、あれだけ雑な扱いをされたのに、スーツが当時から保存されていたのも驚きだった。出番が短かったため、造形の完成度はやや評価が難しいものの、イメージより頭が小さめの印象を受ける。グロテスクさでは、昭和ヘドラには及ばない。彩色も相変わらず省略が多いようだが、元から昭和ヘドラほど毒々しい色使いではない可能性もある。とりあえず、マイナー怪獣を商品化してくれたことは評価したい。

昭和ヘドラと比べても塗装はかなり省略されている印象

 

 

マンダ(FW) ムービーモンスターシリーズ(2023)

 

 

 昭和特撮の名作「海底軍艦」(1963年公開)で初登場したマンダ。その後は「怪獣総進撃」(1968年公開)では何故か角と髭がなくなり大蛇のような風貌になってしまった。その後、しばらくスクリーンから遠ざかっていたが、問題作「ゴジラ FINAL WARS」(2004年公開)で復活。冒頭で新・轟天号と交戦し、最期は氷漬けにされてドリルで粉砕されるという、昭和よりも壮絶な負けっぷりとなってしまったが、冒頭のつかみとしてはインパクトを残した。

 そんなマンダが、昭和版ではなくFW版として、このタイミングで何故か商品化された。アニメ「ゴジラ S.P <シンギュラポイント>」(2021年放送)で登場したマンダに続く商品化だが、できれば原点である「海底軍艦」のマンダがほしかった。

 このFWマンダは昭和マンダと風貌は比較的似ているのだが、立髪や髭がないなど細部が異なり、東洋風の龍よりは西洋風ドラゴンに近い。元々が非常に細長い体型なのでソフビ化は難しい怪獣なのだが、やはり胴体はかなり短めに作られた。もう一つ残念なのは、後ろ足の造形がおかしいという点である。どう考えても上下逆の形状となっており、何故こんな初歩的なミスをしてしまったのか分からない。

後ろ足の向きがおかしい

 

 

シン・仮面ライダー ムービーモンスターシリーズ(2023)

 

 

 2016年の「シン・ゴジラ」や2022年の「シン・ウルトラマン」に続き、2023年は「シン・仮面ライダー」が映画化された。本郷猛や一文字隼人、緑川ルリ子などのキャラクター名がそのまま使われるなど、ゴジラウルトラマンよりも原作に近づいてきた印象だ。石ノ森章太郎による漫画版の設定も採用されるなど、ウルトラマンよりもさらにマニアックな小ネタが増えたように感じる。

 ライダーの造形も、ウルトラマンよりもさらに原作に近くなった。ヘルメットから後ろ髪が見えるという設定までしっかり引き継いでおり、見た目は昔の旧1号と旧2号とほぼ一緒である。少し暗めの色使いが、シリアスな作風に合っている。一方、演者の身長に合わせてソフビの商品も2号の方が1号よりも長身になっている。ネタバレになるのだが、最後に新調されたスーツで登場するのは新1号ではなく新2号の方が良かったのではないかと思う。

ヘルメットから見える後ろ髪も再現

シン・ウルトラマンと比べると大きい

かつてのレジェンドライダーシリーズと同じサイズ

 

 

シン・ウルトラマン ムービーモンスターシリーズ(2022)

 

 

 2016年公開の「シン・ゴジラ」に続く特撮作品として、新型コロナウイルスの感染拡大による公開の遅れを経て「シン・ウルトラマン」は2022年に公開された。「シン・ゴジラ」と同様に官僚組織を中心に早口でテンポの良い展開で物語は進むが、よりマニアックな小ネタが増えた印象だ。

 ウルトラマンというキャラクターはシンプルの極みと言えるデザインなので、ゴジラと比べるとそこまで大きく見た目のイメージは変わらず。カラータイマーがないという点以外は原作と大きな見た目の違いはなく、アクションや設定なども原作と大きな違いはなかった。だが、最後にゾーフィという非常にマニアックなネタをぶち込んできた。

 ウルトラ怪獣シリーズではなくムービーモンスターシリーズでの発売に。通常の直立姿勢バージョンの他、スペシウム光線バージョンや飛行バージョン、様々な色違いバージョンが発売されている。飾って楽しむのに適しており、大人もターゲットとしているようだ。

このシリーズでは珍しい光線発射のポーズで商品化された

飛行バージョンも商品化された

劇中ではゾーフィというマニアックなネタも登場

ウルトラ怪獣シリーズと比べるとサイズは若干大きめ

 

 

メガギラス ムービーモンスターシリーズ(2022)

 

 

 元々はラドンの餌だった古代トンボのメガヌロンが、2000年公開の「ゴジラ×メガギラス G消滅作戦」ではタイトル怪獣に大抜擢。ラドンが果たせなかったゴジラのメイン敵キャラとして大出世を果たした。ヤゴのメガヌロンから羽化したトンボのメガニューラを経て、最終的には怪獣のメガギラスとして変異を果たす。バトラを彷彿とさせる攻撃的なデザインの昆虫怪獣で、瞬間移動のような俊敏な飛行を持ち味とした。

 前作のオルガに続いて新怪獣で勝負した意欲作ではあったのだが、ミレニアムシリーズ特有の雑な脚本と安っぽいCGもあり、ゴジラの敵としてはいまひとつ迫力不足だった感は否めない。そのためか映画の公開当時は商品でも扱いが悪く、ゴジラ、メガギラス、メガニューラ、メガヌロンのセット販売のみだった。公開から20年以上を経て、ようやく単体での商品化が叶った。同時期に発売されたバトラと比べると、塗装もしっかりしている印象を受ける。

顔は昆虫というよりは爬虫類系

トンボらしさも残っている

空中からの攻撃でゴジラを翻弄した

 

 

スーパーメカゴジラ ムービーモンスターシリーズ(2023)

 

 

 ガルーダと合体したバージョンのスーパーメカゴジラは、1993年の「ゴジラvsメカゴジラ」公開当時は商品化されず。それが30年の時を経て「ゴジラ・ストア」限定商品としてついに初登場を果たした。第2回の投票企画でも優勝したバランと最後まで争っていたため、ファンの熱い要望が伝わり、2位でも採用してくれたのだったら非常にありがたい。

 ガルーダが備える2基の高出力メーサービームキャノンが加わって火力アップ。ゴジララドンを痛めつけた腹部のプラズマ・グレネイドの砲門が開いたバージョンとなっている。メカゴジラは数々の作品に製造者を変えて登場しているが、このGフォース版はやはりスーパーメカゴジラとしてのバージョンが最もしっくりとくる。なお、ガルーダと合体していない通常バージョンも発売されている。なお、このスーパーメカゴジラはガルーダを背負っている重みのせいか、つま先が浮いて尻尾が地面に着いてしまう。

背負ったガルーダとは一体化している

ゴジララドンと死闘を繰り広げた

 

 

バトラ ムービーモンスターシリーズ(2022)

 

 

 このところのムービーモンスターシリーズの新造形ラッシュの流れに乗り、バトラも1992年公開の「ゴジラvsモスラ」から30年ぶりに登場。ソフビ化しやすそうな幼虫ではなく、意外にも成虫の方が商品化された。モスラの相方としてのキャラ印象は強いが、そろそろスクリーン上でも復活が見たい気はする。

 30年前のものと比べるとサイズは小さくなり、翼もソフビ製なので壊れにくくなった。このサイズで造形はまずまず頑張ったと言えるが、翼の裏側の塗装が大きく省略されてしまったのは残念だ。胴体部分の塗装も、グラデーションで塗られていた1992年の商品と比べると大きく劣る。

モスラと比べて攻撃的な顔つき

劇中では好敵手モスラと最終的に力を合わせた

翼の裏側は塗装が省略されている