怪獣ソフビ博物館

ゴジラ、ガメラ、たまにウルトラマンや仮面ライダーも含めて新旧ソフビを展示

メガロ ムービーモンスターシリーズ (2021)

 

 

 メガロのソフビは1991年に商品化された後、なぜか縮小サイズでも長く再販されることはなかった。相棒のガイガンと比べて人気や知名度で劣り、唯一の登場作品「ゴジラ対メガロ」(1973年)もゴジラ映画低迷期だったので仕方ないのかもしれないが。そんなメガロがなんと30年ぶりの新造形で登場した。

 造形としては及第点の完成度と言えるだろう。少し残念なのは、30年前のものと比べても塗装が省略されている点だ。このところムービーモンスターシリーズは品質が向上傾向にあるのは良いことだが、塗装に関しては昔の商品と比べて少なくなっている。このメガロに関しては、背中の模様など必要最低限の箇所はしっかり塗られているので、そこまで不満はないのだが。

甲虫を思わせる背中

メガロゴジやガイガンとのバランスも丁度良い

 

 

ヘドラ ムービーモンスターシリーズ (2022)

 

 

 ヘドラという怪獣は、そのインパクトの強いキャラクターと強烈な見た目ゆえか、ソフビに関してはかなり恵まれた存在だ。1993年と2006年の商品はどちらも完成度が高く、特に後者に関してはムービーモンスターシリーズの中でもトップクラスの出来だった。しかし、ヘドラ生誕50周年を記念し、まさかの新造形で再び登場した。前作の別塗装バージョンが最近でも発売されていたので金型は健在だと思われるのに、これは嬉しいサプライズだ。

 しかし、これがまた素晴らしいクオリティ。若干前傾姿勢だった前作と比べ、直立姿勢になった。いい意味で劇中の不気味なヘドラのイメージをよく再現している。塗装はややシンプルになった印象はあるが、それでも重要な箇所はしっかりと押さえてある。腕の裏の黄色もしっかりと再現されている。

毒々しい色の背中と意外に長い尻尾

腕の内側は毒々しい黄色

総進撃ゴジに比べると若干小さめ

新旧ソフビはどちらもクオリティが高い

 

 

ガメラ1996(ガメラ2レギオン襲来) ムービーモンスターシリーズ(2022)

 

 

 先に平成三部作のガメラ1とガメラ3が商品化され、順番が逆転したが満を持して登場したのが1996年公開の「ガメラ2レギオン襲来」のバージョン。ガメラ1と同様、顔の表情はまだ柔和だが、頭は少し小さくなり、右肘のエルボークローが大きく発達するなど、両作のガメラをつなぐような姿となっている。

 バンダイが突如として始めた平成ガメラ三部作の商品化ラッシュで、最後を飾るのにふさわしい商品となった。ガメラにはやたら力が入っており、全怪獣が素晴らしい造形となったのは嬉しい限りだ。意外と違う3体のガメラを並べてみるのも楽しい。

エルボークローが特徴

ギオンには苦しみながらも勝利をつかんだ

これで平成三部作が全て揃った

 

 

モスラ S.H.MonsterArts(2019)

 

 

 人気怪獣として何度もゴジラと共演してきたモスラは、ハリウッド版の「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」(2019年)では「怪獣の女王」として登場。日本ではゴジラと敵対関係が多かっただけに、ゴジラのパートナーという意外な設定だった。さらに、同作に登場した4体の怪獣の中では日本版と比べて容姿が最も大きく変化した。ぬいぐるみのようだった日本版と比べ、脚が長くなり、シャープなカマキリのような雰囲気。劇中でも尻尾の毒針でラドンを撃退するという新しい攻撃技を見せた。

 映画公開とほぼ同時期に発売された「S.H.MonsterArts」では、同じ空中怪獣のラドンとセット。ムービーモンスターシリーズは手抜きと思えるほど出来が悪かったが、さすがにこちらは満足の造形と彩色だ。大きさはかなり小さいのだが、4枚の翼と四肢を動かすことができる。スタンドも付属しているので、飛行ポーズも自由自在だ。

小型ではあるがムービーモンスターシリーズよりは緻密な造形

日本のモスラとは姿が大きく異なる

米国版モスラゴジラのパートナー役として描かれた

 

 

ラドン S.H.MonsterArts(2019)

 

 

 東宝三大怪獣の一角ながら、時代が進むとともに扱いが悪くなっていったラドン。ハリウッド版の「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」(2019年)では、ラドン好きの監督と大きくグレードアップされたデザインで捲土重来の活躍が期待されたが、結局のところ情けない役回りを与えられてしまった。とはいえ、ちゃっかり最後まで生き残り、ゴジラに次ぐNo.2の地位を手にしたので賢い生き方なのかもしれないが。

 ムービーモンスターシリーズの出来はあまりにも酷かったのだが、モスラとセットで発売された「S.H.MonsterArts」は、まずまずの完成度だ。翼は前方へ閉じるように大きく動かすことができるので、劇中の戦闘機とのバトルシーンを再現できるかもしれない。胴体や首も前傾姿勢に動かせるし、もちろんスタンドも付いているので空中戦での動きを再現しやすい。その代償として、翼と胴体の切れ目が大きく目立っており、翼竜というよりは鳥に近いように見えるかもしれない。

翼は下方向に動かせる

モスラよりも大型

キングギドラとは体格差がある

 

 

キングギドラ S.H.MonsterArts(2019)

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 ゴジラ永遠のライバル怪獣であるキングギドラは、2019年の「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」でも「偽りの王」として登場。長年、日本では操られる側の設定だったのだが、米国版では晴れて操る側にまわるという高い知能も与えられたが、悪役の宿命かやはりゴジラには敗れた。映画公開時にも「S.H.MonsterArts」として商品化されたのだが、2022年には金色のスペシャルカラーとして再販。全体的に黄土色といえる通常バージョンは購入を逃したので比較はできないが、こちらの色の方がキングギドラらしい神々しさがある。

 さすがに造形も満足できる仕上がりとなったが、それにしてもサイズが大きすぎる。翼まで硬質素材なので重く、付属のスタンド3本を使っても、工夫して設置しないとなかなか自立してくれない。翼は硬いので、破損や怪我にも要注意。外れやすいという評判もあったのだが、手元に届いた商品は個体差か、しっかり胴体に装着されるので外れにくかった。というか、むしろ解体しづらいくらい外れない。翼は上下に稼働するため、高く上げたポーズ用に長めのスタンドも付属している。首はなかなか柔軟に動き、ゴジラを締め上げるポーズをとることも可能だ。残念ながら付属スタンドでは無理だが、飛行形態を取らせることもできる。右の首の角が欠けているが、これは劇中を再現したものだという。

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翼を高く上げたポーズ

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右の首の角が欠けているのは劇中を再現したもの

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首を使ってゴジラを締め上げる

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ゴジラとの比率もちょうど良いサイズ

別売りのスタンドを使えば飛行ポーズも再現できる

直立姿勢を取らせればスタンドなしでも自立する

三大怪獣地球最大の決戦のハリウッドリメイク

 

 

メカゴジラ S.H.MonsterArts(2021)

 

 


 2021年公開の「ゴジラvsコング」で、終盤の秘密兵器として満を持して登場した米国版メカゴジラが「S.H.MonsterArts」シリーズでも登場。日本のメカゴジラに多い火器やビームの攻撃だけでなく、アンドロイドのよう細身の体を俊敏に動かした肉弾戦でもゴジラを圧倒した。これは確かに可動フィギュア向けだろう。日本にはないターミネーターを彷彿とさせるデザインや設定が、いかにも米国版らしくて良い。ゴジラに直接対決で敗れたコングに花を持たせる措置で、最期は初めてゴジラ以外の怪獣に破壊された。

 造形の良さも文句なしで、このシリーズでも最高峰の出来だという評価もある・肩、腕、手首などはまずまず動き、手には付け替えパーツもあるにで、劇中のようにゴジラをつかんで叩きのめすようなポーズを取らせることができる。先端が武器となっている尻尾は非常に柔軟性があり、曲げ伸ばしの幅は広い。肩と腹には開閉式で武器を出せる仕掛けがあるなど、細かいところまで再現。サイズはゴジラよりも結構大柄で、この体格差だと格闘戦でゴジラを圧倒できるのも分かる。

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両肩に開閉式の火器を備える

両手は付け替えパーツがある

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体格はゴジラより若干大きめ

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3大怪獣三つ巴の決戦