怪獣ソフビ博物館

ゴジラ、ガメラ、たまにウルトラマンや仮面ライダーも含めて新旧ソフビを展示

アンギラス(初代) ムービーモンスターシリーズ(2024)

 

 

 1955年の「ゴジラの逆襲」で、ゴジラの最初の敵として登場。動物らしい激しい攻防の末に喉笛を噛み切られ、熱線で焼かれてしまった。ゴジラの子分として活躍した温厚な2代目とは違い、凶暴な性格のため目つきが悪い。

 最初の敵なのに作品タイトルに名前がなく、文字通り噛ませ犬的な扱いだったため、これまで商品化も専ら2代目だった。だが、なんと逆襲ゴジと同時にソフビが発売されるという嬉しいサプライズがあった。モノクロ仕様の彩色のため色は灰色基調だが、代わりに造形に力を集中させてくれたのか、非常に良い。口を開けて上を睨み付けるようなポーズで、粗暴な初代アンギラスのキャラクターをよく表現してくれている。

四つ足だが俊敏さを感じさせる

ゴジラとは動物らしい噛み付きの攻防を繰り広げた

 

 

ジェットジャガー(ゴジラ S.P) ムービーモンスターシリーズ(2022)

 

 

 2021年に放送されたテレビアニメ「ゴジラ S.P <シンギュラポイント>」で、実写映画でも実現しなかった復活を果たす。しかも、出番が少ないゴジラを差し置いて実質的な主人公のような扱いだった。そもそも昭和ジャガーゴジラシリーズの中で異質すぎるデザインのため、実写映画で再登場させるのは難しかったのかもしれない。町工場で作られた秘密兵器という設定と、昭和ジャガーと同じ不細工な顔面はしっかり引き継いでいる。昭和ジャガーよりも体つきはロボットらしさを増したが、むしろ貧弱で頼りない印象を受ける。ある意味ではジェットジャガーらしい部分をリメイクできている。

 アニメ前半では短足で手作り感のある「プロトタイプ」がラドンアンギラスと対決。その後、改修されて人間に近い体型となった「ジェットジャガーβ」が登場する。ソフビでも作中で扱いの悪かったラドンは商品化すらされなかったが、実質主人公のジェットジャガーは2つのタイプが商品化されるという破格の扱いを受けた。ソフビは非常に細身のため小さい印象を受けるのだが、並べてみると身長はゴジラと同じくらいになっている。

ゴジラとは比べて非常に細身の体

 

 

ジェットジャガー ムービーモンスターシリーズ(2021)

 

 

 ゴジラシリーズの中でも際立って異質の存在。当時の特撮ヒーローやロボットのブームに乗る形で「ゴジラ対メガロ」(1973年)に登場。ウルトラマン風の人間型巨大ヒーローがゴジラと共闘する姿は、明らかに異彩を放っていた。本来は意思を持たないはずが、サングラスをかけたようなユーモラスな顔に、いきなり自我に目覚めて巨大化するという設定も滅茶苦茶なのだが、ある意味では昭和のヒーローらしくて味わいがあった。

 ソフビは何度も商品化されているのだが、写真は2021年に新造形で発売されたもの。おそらく、同年にアニメとして放送され、ジェットジャガーが実質的に主役だった「ゴジラ S.P <シンギュラポイント>」に合わせたものだろう。元々、子供でも絵に描けるほどシンプルなデザインなのだが、このタイプは右手がチョップのように開いた形状となっている。

メガロやガイガンとのタッグマッチも再現可能になったあ

ゴジラと勝利の握手は異色の名シーンだった

 

 

ガメラ1965 ムービーモンスターシリーズ(2023)

 

 

 シリーズ初のアニメ作品「GAMERA -Rebirth-」がNetflixで配信されたのを記念し、なんと昭和ガメラまでがソフビで復活。しかも新造形という神すぎる対応だ。バンダイの担当者はそんなにガメラが好きなんだろうか。こうなると、2006年公開の「小さき勇者たち〜ガメラ〜」のトトも復活するかもしれない。

 1998年の造形で、2005年に「ムービーモンスターシリーズ-STANDARD-」として再販された昭和ガメラと比べると、やや大柄となっている。目つきは若干悪くなった印象だが、これは1965年公開の記念すべき第1作「大怪獣ガメラ」の顔を再現していると思われる。

ライバルのギャオスも新造形で復活した

四半世紀前のタイプと比べると大柄になっている

 

 

シン・ゴジラ S.H.MonsterArts(2016)

 

 

 ゴジラという存在を広く世間に再評価させたヒット作「シン・ゴジラ」(2016年公開)は、独特なゴジラのキャラクターも人気が高く、商品は非常に多い。この可動フィギュア「S.H.MonsterArts」シリーズも同様で、映画の公開直後から度々バージョン違いとして再販されている。

 2016年に通常バージョンが一般店頭販売され、2017年発売の「第4形態覚醒Ver.」は、よほど好評だったのか3度に渡りネット販売された。2018年には「凍結Ver.」も登場。これらは、その後オークションサイトなどで高く転売されていたのだが、2023年に「夜間戦闘Ver.」として久々に一般店頭を含めて再販された。写真はそのバージョンのものだ。

 これまでのバージョンとの大きな違いは、赤いクリアパーツの上から彩色することで、内側から燃え上がるような色をしたシン・ゴジラのグロテスクな見た目を見事に再現している。暗くして照明などを使えば、さらに面白い写真が撮れるだろう。造形の良さも文句なしの仕上がり。キャラクターの特性上、あまり激しいアクションのポーズを取ることはなさそうだが、これまでのバージョンと比べて尻尾など関節部分のポーズを保てる安定感が増したようである。

口も大きく開く

ポーズの自由度が高い

造形と塗装のクオリティは高い

 

 

ガメラ(リバース) ムービーモンスターシリーズ(2023)

 

 

 2006年公開の「小さき勇者たち〜ガメラ〜」を最後に新作が製作されず、ゴジラ復活を横目に待望論が高まっていたガメラが、初のアニメ作品として登場。「GAMERA -Rebirth-」は2023年にNetflix配信という、何とも令和の時代らしい形で待望の復活を果たした。

 これまでゴジラのアニメ作品は、怪獣の出番が少なく、旧来の特撮ファンにはやや馴染みにくい作風だったのだが、このアニメ版ガメラは主人公を少年たちに設定しており、昭和ガメラへのオマージュを感じることができた。小学校卒業手前の少年4人組の冒険は「スタンド・バイ・ミー」を思い起こさせる部分がある。あえて昭和と平成の間を狙ったのか、1989年という時代設定も少しノスタルジーを感じさせてくれた。

 ソフビは作品の配信前に発売されており、重厚な体型ながらも表情に優しさもあるガメラらしい王道のデザインで期待を持たせてくれた。それにしても、やたらバンダイガメラに対して神対応で、平成三部作の謎の新造形復活に続き、アニメ版の登場怪獣も全て商品化された。

重厚な甲羅

ギャオスなどライバル怪獣も商品化された

 

 

チタノザウルス ムービーモンスターシリーズ(2002)

 

 

 昭和ゴジラの最終作「メカゴジラの逆襲」(1975年公開)のみに登場。メカゴジラとタッグを組み、当時は正義の味方だったゴジラを追い詰めるのだが、あくまで脇役なので知名度はそこまで高くない怪獣だ。シャープな姿でゴジラメカゴジラよりも少し身長が高く、この当時のキャラとしては正統派の怪獣らしいデザイン。マッドサイエンティスト真船博士に無理矢理操られ、最期は悪役としてゴジラにとどめを刺されるという、少しかわいそうな設定のキャラだった。

 なかなか商品化されなかったのだが、ミレニアムシリーズ機龍2部作の「ゴジラ×メカゴジラ」(2002年公開)に合わせてメカゴジラⅡがソフビ化されたことで、このチタノザウルスも待望の商品化となった。発売時期が遅かったこともあり、造形は非常に良く、当時の彩色は赤みが強めだった。写真は2023年に再販されたもので、こちらの方が劇中の体色に近い印象を受ける。この流れで、今度はキングシーサーあたりも商品化してもらいたい。

なかなか細部までしっかりと塗られている

メカゴジラの逆襲も再現できる