2016年に公開された「シン・ゴジラ」は、観客動員数ではvsシリーズで最高だった「ゴジラvsモスラ」(1992年公開)を大きく上回り、ゴジラ映画では久々の大ヒットを記録した。早口な台詞回しからテンポよく進む展開、東日本大震災の政府の対応を思い出させる風刺の効いた内容、これまでにないゴジラのキャラ設定など、異色作ではあったが、新たなファン層の拡大に貢献したという点で功績は大きいだろう。
最も有名な第四形態もゴジラらしさはあるものの、かなり異質な外見だ。サンショウウオのように表情が読めない眼、血液や内臓が浮かび上がったような体表の赤い発光など、ゾンビや骸骨を思わせる不気味さがある。あえて歴代ゴジラの中から選ぶとすれば、ゴジラが恐怖の象徴であった初代ゴジラのイメージに最も近い。
2010年代は残念な商品が多いバンダイのムービーモンスターシリーズだが、ソフビの出来はなかなか良い。体表の赤い発光の彩色は再現しきれなかったか少し甘いが、全体的な造形は非常によくできている。