1955年公開の「ゴジラの逆襲」以降、ゴジラ映画はしばらく製作されなかったが、その間にも東宝はラドンやバラン、モスラなどの怪獣が登場する映画を毎年のように製作していた。そして満を持して1962年に公開されたのが「キングコング対ゴジラ」で、日米を代表する2大怪獣が激突するという、非常にエンターテイメント性の高い作品となった。ゴジラ出演作品では初のカラー作品となり、この作品から作風が一気に明るくなったのも大きな転換点だろう。観客動員数は現時点でも歴代ゴジラ映画で最高の1120万人を記録した。
ゴジラの造形も大きく変化し、耳がなくなり、足の指は3本に。背鰭は中央が大きくなり、両サイドは小さくなった。これらは1975年公開の「メカゴジラの逆襲」まで、昭和ゴジラの造形の基本となっている。とはいえ、この作品に登場する通称「キンゴジ 」は他にはない個性がある。キングコングとの怪獣プロレス向けに、下半身は非常に太くがっしりした体型。横顔は爬虫類的だが、正面から見るとカエルのようなユーモラスな顔をしている。登場作品は1作だけだが、次作で登場する「モスゴジ」とともに、昭和ゴジラの中では非常に人気が高いモデルだ。
かつてキンゴジのソフビは1983年に「グレートモンスターシリーズ」としてバンダイが発売していたが、2005年に限定販売された「ゴジラ50周年メモリアルBOX」で待望の新規造形に。造形は満足この上ない仕上がり。惜しいのは、このキンゴジと並べられるサイズのキングコングのソフビが存在しないことである。