怪獣ソフビ博物館

ゴジラ、ガメラ、たまにウルトラマンや仮面ライダーも含めて新旧ソフビを展示

ゴジラ1984 ゴジラ50周年メモリアルBOX(2005)

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 1975年公開の「メカゴジラの逆襲」では観客動員数が100万人を下回り、ゴジラシリーズは一旦終了。1955年の「ゴジラの逆襲」から1962年の「キングコング対ゴジラ」でも7年間の沈黙はあったが、この間は他の怪獣映画や特撮SF映画が毎年のように製作されていた。それに比べて「メカゴジラの逆襲」の後は怪獣映画の製作もストップし、東宝特撮は冬の時代に。それだけに1984年公開の「ゴジラ」は、当時のファンにとっては待望の作品だったことだろう。

 ゴジラが正義のヒーローだった1970年代の設定を捨てて原点回帰。「ゴジラの逆襲」以降の話はなかったことにし、第1作から30年ぶりにゴジラが出現したという設定に。当時の新冷戦の世界情勢も踏まえながら、再び人類の脅威となったゴジラが暴れ回った。とはいえリアリティを追求した結果、やや娯楽性に欠ける内容となった。終戦から30年近く過ぎた当時の観客にとっては、ゴジラから戦争や核の脅威を実感するのは難しかったかもしれない。評価が分かれる作品である。

 ゴジラの顔は一転して凶暴になり、初代ゴジラと同様に足の指は4本に。そこまで目立たないが耳も復活し、3列の背鰭が大きくなるなど、造形にも原点回帰が見える。続編となるvsシリーズと物語が繋がっているため、当時はまだ昭和だが、この作品から「平成ゴジラシリーズ」と呼ばれる。とはいえ、まだ顔が大きめであるなど、昭和らしい特徴も残っている。身長も80mと大きくなったが、それ以上に新宿副都心の高層ビルが高くなったため、劇中ではゴジラがビル群に埋もれている印象を受ける。

 1984年のゴジラのソフビは公開当時にもバンダイから「グレートモンスターシリーズ 」で発売されていたようだが、時代的に造形は今ひとつで、あまり商品も出回っていなかったのかネットオークションで見かけることも少ない。それから20年を経て、2005年に限定販売された「ゴジラ50周年メモリアルBOX」では完全な新規造形で生まれ変わった。完成度は非常に高く、このボックスの目玉と言える。このソフビは非常に見事な出来なのだが、その後も再販されていないので貴重である。

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顔つきは一気に凶暴になった

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昭和ゴジラと比べて長い尻尾と重厚な背鰭